乳腺健康アドバイス

[Vol.44] 乳房の検査について

ブレスト・アウェアネスでは、40歳になったらマンモグラフィによる乳がん検診を受けましょうと、書かれています。

現在、高知県の各市町村をはじめとして、各自治体が地域住民に対して行う対策型乳がん検診は、マンモグラフィによる検診が40歳からおこなわれています。

マンモグラフィは、よい検査ではありますが、全ての乳がんをみつけられるわけではありません(偽陰性)。また、検査で異常を指摘された全ての人に乳がんがみつかるわけでもありません(疑陽性)。

そのため、ブレスト・アウェアネスで、気になることがあれば、専門の医療機関を受診してください。高知県のホームページには、「乳がん精密検査実施医療機関リスト」が掲載されています。ご参考ください。

マンモグラフィ以外の乳房の検査としては、検診でよく行われているのは、超音波検査があります。放射線の被ばくもなく、良い検査ではありますが、臨床試験でまだ効果が証明されておりませんので(2023年11月時点)、対策型検診ではおこなわれておりません。

一部の医療機関では、造影剤を使わないMRIによる乳房検査がおこなわれておりますが、乳房のMRI検査は、造影剤を使うことが一般的です。造影剤を使うことにより、検査で異常がよくわかります。しかし、造影剤を使うと、副作用が出ることもありますので、症状のない人に、検診目的で行うことには慎重でないといけません。そのため、造影剤を使わなくて十分検査の精度があるのであれば、それは非常によいことです。現状では、あくまで、探索的な研究の段階であるということを、十分理解し、納得したうえで、受けるかどうか判断するのがよいと思います。

検診には、利益と不利益があります。それをしっかり理解することが、一番大切なことです。

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